福岡のロイヤルミルクティー|「牛乳で煮出す」は流派のひとつ。公的な定義はありません

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カフェのテーブルのロイヤルミルクティー(イメージ)

この記事は2026年9月20日に、業界団体・メーカー・各店の公式サイトをひとつずつ開いて確認した内容です。

福岡でロイヤルミルクティーを探していて、先に分かったことがあります。

「ロイヤルミルクティー」に公的な定義はありません。そして作り方には、正反対の2つの流派があります。

「牛乳で煮出したもの」という説明をよく見かけますが、日本紅茶協会とリプトンの公式レシピは、そう言っていません。ここを知ってから店を選ぶと、頼むものが変わります。

目次

まず、定義がありません

消費者庁が所管する公正競争規約(業界が作る表示のルール)の一覧を確認しました。紅茶・茶・ミルクティーの規約は存在しません。

分かりやすい対比があります。「コーヒー飲料等」には公正競争規約があります。コーヒーには表示のルールがあるのに、紅茶にはない、ということです。

全国清涼飲料連合会の「紅茶飲料の品質表示ガイドライン」も見ましたが、こちらは「紅茶飲料」という1区分を定めているだけで、「ミルクティー」「ロイヤルミルクティー」という語は1件も出てきません。

つまり何をロイヤルミルクティーと呼ぶかは、店ごとの判断です。

作り方に、2つの流派があります

ここが面白いところです。公式に作り方を出している3者を並べると、真っ二つに割れます。

水と牛乳 火の扱い
日本紅茶協会(公式レシピ) 水160ml : 牛乳160ml = 1:1 沸騰直前まで温め、茶葉を入れて火を止める。3〜4分蒸らす
リプトン(公式レシピ) 「牛乳と水の割合は1対1が基本です」 「沸騰したら火を止め…約3分蒸らします」
Sir Thomas LIPTON ティーハウス(京都) 「水を極力抑え、たっぷりの牛乳で」 「煮出す」

「牛乳で煮出す」と書いているのは3つ目だけです。協会とリプトンは水と牛乳を半々にして、茶葉は火を止めてから蒸らすと言っています(協会は沸騰直前まで温め、リプトンは一度沸騰させてから火を止めます)。

ロイヤルミルクティーの作り方の比較図。日本紅茶協会は水と牛乳1対1で沸騰直前に火を止めて蒸らす。リプトンは1対1で沸騰したら火を止めて蒸らす。京都のSir Thomas LIPTONは水を極力抑えて牛乳で煮出す。

ただしこれを「俗説 対 公式」と整理するのは正しくありません。煮出す側にも根拠があります。

「煮出す」側は、名称を考えた当人です

Sir Thomas LIPTON ティーハウス(京都・三条本店)は、公式のFAQでこう書いています。

はい。1965年に京都のリプトン(現:Sir Thomas LIPTON ティーハウス 三条本店)が考案・命名しました。

つまり名前を付けた店が「煮出す」と言っているわけです。

しかも、煮出す製法で特許を取っている会社があります

大阪のロンドンティールーム(1983年開業)は、自店を発祥としたうえで、「ロイヤルミルクティーの製造方法」で特許を取得しています。特許第7303589号、2023年6月27日登録です。

同社は但し書きも出しています。

当特許は、当店のロイヤルミルクティー製造法・材料に関する特許であり、「ロイヤルミルクティー」の名称がつけられた商品およびメニュー等に対して制限をする意図はない

名前は誰でも使えるが、その作り方には特許がある——という、少し変わった状態になっています。

発祥の主張は2つあり、お互いに触れていません

京都の店は「1965年に考案・命名」、大阪の店は「40年以上前に当店が考案・命名」としています。そして大阪側のページに、京都の1965年説への言及はありません。どちらが本当かを公的に裁定したものは見つかりませんでした。

日本紅茶協会は、チャイと同じ作り方だと説明しています

これも意外でした。協会のレシピページは、タイトルからして「ロイヤルミルクティー(チャイ)」です。本文にはこうあります。

上記手順1と2の間に、お好みのスパイスパウダーをティースプーン約1/3入れるだけ。後はロイヤルミルクティーと同じ作り方です。

スパイスを入れるかどうかの違いだけ、という扱いです。チャイを別ジャンルだと思っていると、少し驚きます。

ただし念のため書き添えると、これは「作り方が同じ」という話であって、協会が「同じ飲み物だ」と言っているわけではありません。

福岡で「ロイヤルミルクティー」と名前で出している店

福岡の喫茶店やカフェのメニューを探すと、意外と「ロイヤルミルクティー」という名前に出会いません。ですが、チェーン店は普通に出しています。公式メニューに名前と価格が載っていて、福岡市内に店があるものを挙げます。

チェーン 価格(税込) 福岡市内の店(一例)
ドトールコーヒーショップ S 430円/M 480円/L 530円
アイスも同額。タピオカ入りもあり
中央区11店・博多区5店
サンマルクカフェ S 460円/M 520円
アイスは S460/M520/L580
福岡天神地下街店・福岡天神駅店
タリーズコーヒー Short 495円/Tall 555円/Grande 615円
ハニーロイヤルミルクティー 595円
西鉄福岡天神駅店・天神新天町店ほか
エクセルシオール カフェ R 550円/L 610円 天神渡辺通り4丁目店
PRONTO 572円〜/アイス 517円〜 新天町店・西鉄福岡駅店・天神木村家ビル店ほか(福岡県内14店)

ドトールの公式には「店舗により取り扱いがない、もしくは価格が一部異なる場合もございます」という注記があります。

名前が違うだけ、という店もあります

メニュー名で探すと見落とします。実質的に同じものを、別の名前で出している店があります。

  • コメダ珈琲店—「ホットティー ミルク」480〜720円/「アイスティー ミルク」500〜740円
  • 上島珈琲店—「リッチミルク紅茶(無糖)」「リッチミルク紅茶(和三蜜)」
  • アフタヌーンティー・ティールーム— 定番に「ロイヤルミルクティー」はありませんが、チャイ 950円があります。公式の説明は「濃厚で甘みのあるアッサムで作った、コクのあるインド風ミルクティーです」。上に書いたとおり、協会の整理ではチャイとロイヤルミルクティーは同じ作り方です

⚠ ひとつ注意点があります。スターバックスの「ティバーナ ロイヤル ミルク ティー」(1,400円)は、東京のROASTERY限定で、福岡では飲めません。

紅茶をちゃんと出す店を探すなら

ティーポットと紅茶の茶葉(イメージ)
※画像はイメージです

日本紅茶協会が「おいしい紅茶の店」という認定をしています。1988年から続く制度で、プレステージ/オーセンティック/カジュアルの3区分です。

福岡県内の認定店は5店。そのうち福岡市内は3店です。

店 区分 所在地
ホテルニューオータニ博多 カフェ&レストラン グリーンハウス オーセンティック 福岡市中央区渡辺通1-1-2
フォートナム・アンド・メイソン コンセプトショップ 三越福岡店 オーセンティック 福岡市中央区天神2-1-1 三越福岡店B2F
ホテル日航福岡 Tea & Cocktail Lounge オーセンティック 福岡市博多区博多駅前2-18-25
アンティ プレステージ 北九州市小倉北区船場町6-2
ティールームアリアンス オーセンティック 北九州市小倉北区馬借1-16-18-2F

いちばん上の区分であるプレステージは、福岡県では北九州の「アンティ」1店だけです。福岡市内はすべてオーセンティックで、しかも3店ともホテルか百貨店の中にあります。

ただし、ここは誤解しないでください。この一覧は「推薦を受けて協会が調査し、合格した店」のリストであって、福岡の紅茶店を全部調べたものではありません。認定されていない良い店はあります。また協会のリストは2025年11月現在のもので、協会自身が「突然の臨時休業・閉店については反映しておりません」と注記しています。

アフタヌーンティーは、予約のルールがバラバラです

紅茶をゆっくり飲むならアフタヌーンティー、という選択もあります。福岡市内の各ホテルを確認したところ、料金より予約のルールのほうが差が大きいと分かりました。

  • フォートナム・アンド・メイソン 三越福岡店(B2F・24席)— 公式に「予約:不可」。並ぶしかありません。喫茶は11:00〜18:30(L.O.17:30)
  • ホテルオークラ福岡— 前日22時までに要予約
  • ANAクラウンプラザホテル福岡— 前日20時までに要予約・2名から
  • ホテル イル パラッツォ— 事前予約制(90分制)
  • ホテル日航福岡— 現在は期間限定プランだけで、どれも前日12時までに要予約
  • ホテルニューオータニ博多— 要予約の記載がなく、「おひとりさまからご利用いただけます」と明記

料金の比べ方にも落とし穴があります。グランド ハイアット 福岡は「別途サービス料15%」で、6,000円のプランが実質6,900円になります。他の多くは税・サービス料込みの表示なので、並べて比べると順位が変わります。

ホテルニューオータニ博多も、アフタヌーンティーの料金自体は「サービス料共」ですが、個別に表記がない料金には別途15%がかかると書いています(ホテルの予約条件と料金は2026年10月11日に各ホテルの公式サイトで確認し直しました)。

⚠ アフタヌーンティーは期間限定の入れ替わりが非常に早いです。この記事を書いた時点で、9月30日に終わるプランが複数ありました。必ず各ホテルの公式ページで現在の提供内容を確認してください。

茶葉を買うなら

缶に入った紅茶の茶葉(イメージ)
※画像はイメージです
  • LUPICIA— 博多阪急B1F(10:00〜20:00)/大丸福岡天神店 本館B2F(10:00〜20:00)/ららぽーと福岡1F(10:00〜21:00)
  • 一保堂茶舗・原口園— 大丸福岡天神店 本館B2F
  • 愛香園茶寮— 博多阪急B1F
  • 和紅茶専門店きごころ 福岡本店(福岡市南区玉川町18-6/10:00〜18:00/日曜・年末年始・お盆休/0120-82-5560)— 店内で和紅茶の無料試飲ができると公式に明記。八女・鹿児島・宮崎産などのリーフが40g 1,010円〜

なおマリアージュフレール・TWG・フォションは、大丸福岡天神店にも博多阪急にも入っていません(両店の公式フロアガイドで確認)。

値段の幅を知っておくと選びやすくなります

同じ「紅茶とミルク」で、福岡ではこれだけ開きがあります。

  • チェーンのロイヤルミルクティー … 430円〜615円
  • 紅茶系カフェのチャイ … 950円
  • ホテルのアフタヌーンティー … 3,980円〜8,800円

いちばん安いものといちばん高いものの差は約20倍です。「紅茶を飲みたい」のか「時間を過ごしたい」のかで、選ぶ場所がはっきり分かれます。

この記事で確認できなかったこと

  • 星乃珈琲店のロイヤルミルクティー— 公式が価格を公表していないため、確認できませんでした
  • 発祥がどちらか— 京都・大阪の2説があり、公的に裁定したものは見つかりませんでした
  • 西鉄グランドホテルのアフタヌーンティー料金— 公式ページに2つの金額が併記されており(表記の誤りと思われます)、どちらが正しいか判断できませんでした
  • 認定店以外の独立系紅茶専門店— 福岡市内に実在しますが、今回は公式情報で裏を取り切れませんでした

価格・期間・営業時間は変わります。出かける前に、行き先の公式サイトをご確認ください。

出典(公式サイト)

この記事の確認に使った主な公式ページです。内容は変わることがあるので、出かける前・買う前にリンク先で最新の情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

福岡のおでかけ情報メディア「めぐる福岡」編集者のめぐるです。デート・グルメ・カフェ・観光・季節のイベントまで、福岡で過ごす時間がもっと楽しくなる情報を『選び方』からわかりやすくお届けしています。気になるスポットは公式情報もあわせて確認しながら、実際に役立つ視点を大切に発信中。あなたの次のおでかけ選びを、そっと後押しできたらうれしいです。

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