この記事は2026年9月20日に、各メーカー・施設の公式サイトをひとつずつ開いて確認した内容です。まとめサイトの情報は使っていません。
福岡のクラフトコーラを調べていて、いちばん驚いたのはここでした。
「クラフトコーラ」には、公的な定義がありません。
名乗るのは自由です。だから中身はバラバラで、「コーラ」と名乗っているのにコーラの実が入っていないものもあります。それを知ったうえで選ぶと、失敗しにくくなります。
「クラフトコーラ」に定義はありません
法令を横断して検索しました。「クラフトコーラ」という語は、日本の法令に1件も出てきません。
「コーラ」で引くと5件出てきますが、中身はこうでした。
- 関税定率法/関税暫定措置法 — コーラ果の関税分類
- 家畜伝染病予防法施行規則 — レプトスピラ・カニコーラという細菌名
- 商標法施行規則/小売物価統計調査規則
飲料のカテゴリーとして定義したものは、ひとつもありません。
他もあたりました。炭酸飲料の日本農林規格(JAS)にもコーラの記載はなし。消費者庁の公正競争規約66本のうち飲み物に関係するもの(果実飲料・コーヒー飲料・豆乳・飲用乳・発酵乳・乳酸菌飲料など)はありますが、コーラの規約はありません。全国清涼飲料連合会の法規ページにもありません。
ひとつ補足しておきます。2025年3月28日の食品表示基準の改正で、「炭酸飲料」そのものの定義も削除されました。つまり「炭酸飲料には定義があるのにクラフトコーラには無い」という話ですらなく、この分野は全体として公的な線引きが薄い、というのが正確なところです。
民間の団体はありますが、入れ替わっています
定義に近いものを作ろうとした民間団体はありました。国際クラフトコーラ連盟(FICA)は「合成添加物は基本不使用」「香辛料は不純物の混ざらないホール(原型)を使う」という基準を掲げていました。
ただしこの団体の公式ドメインは、現在消滅しています(DNSで引けません)。
いま動いているのはクラフトコーラプロモーターズという団体で、2025年6月10日の設立です。独自の定義文と認定店制度を運営しています。ただし規模は小さく、公開データで会員5・製品5・認定店3、そして認定店は全て関東で、福岡は0件です。
要するに、「クラフトコーラ」を名乗るかどうかは、いまのところ各社の自称です。認証マークのようなものを期待しても、ありません。
「コーラ」なのに、コーラの実が入っていないものがあります
コーラらしさの元になるのは、西アフリカ原産のコーラナッツ(コーラの実)です。ここに含まれるカフェインが、コーラのカフェイン源になります。
福岡の商品の原材料表示を調べたところ、入っているものと入っていないものが、はっきり分かれました。
| 商品 | コーラナッツ |
|---|---|
| 森コーラ | 原材料表示に明記されています |
| 博多クラフトコーラ | 商品説明に「コーラナッツをはじめ」と明記。※ただし原材料表示は「香辛料」の一括表示 |
| 小倉コーラ | 入っていません |
| 北九州レモンクラフトクリアコーラ | 入っていません |
| ゆずコーラ(八女) | 入っていません |
小倉コーラと北九州レモンについては、疑いようがありません。この2つは「香辛料」という一括表示を使わず、スパイスを全部個別に書いているからです。
- 小倉コーラ:きび砂糖(国内製造)、ショウガ、ゆず加工品、シナモン、山椒(小倉南区産)、カルダモン、ナツメグ、クローブ、バニラエキストラクト、クエン酸、リンゴ酸(通販ページの表示。公式サイトの商品ページでは「ゆず加工品(九州産柚子)…クエン酸、ゲル化剤(ペクチン)」となっていて、表示が違います)
- 北九州レモンクラフトクリアコーラ:グラニュー糖(北海道産)、レモン(北九州産)、はちみつ(北九州産)、シナモン、クローブ、カルダモン、バニラビーンズ
これは欠点ではありません。カフェインを避けたい方にはむしろ好都合ですし、山椒やレモンで個性を出しているとも言えます。ただ「コーラの味を期待して買う」と印象が違う可能性はあります。
なおカフェインの有無を公式に明記していたのは、小倉コーラだけでした。公式サイトに「コーラナッツやカフェインは使っていません」と書かれています(小倉コーラの公式サイトで2026年10月11日に確認)。ほかの商品は、原材料から推測するしかないのが現状です。
福岡のクラフトコーラは、全部が「希釈用シロップ」です

そのまま飲めるものは、今回ひとつもありませんでした。買って帰って、自分で炭酸水と混ぜるタイプです。土産にするなら、渡す相手がそれを分かっているかを気にしたほうがいいかもしれません。
そして希釈の倍率がバラバラです。
| 商品 | 内容量 | 価格 | 希釈 |
|---|---|---|---|
| 博多クラフトコーラ | 240g | 1,620円 | 1:3 |
| 森コーラ(瓶) | 290g | 1,950円 | 4倍 |
| 小倉コーラ(原液ボトル) | 200ml | 2,400円(税別) | 5倍(約5杯分) |
| 北九州レモンクラフトクリアコーラ | 200g | 500円 | — |
| THE FARMERS HANDS(あまおう等) | 240g | 1,944円 | 1:3〜4 |
| ゆずコーラ(八女) | 140g | 810円 | — |

倍率が違うと、同じ内容量でも飲める杯数が変わります。1:3と5倍では、1本から作れる量が倍近く違います。ところが「何杯分か」を公式に書いているのは小倉コーラ(約5杯)だけでした。
保存については、確認できた範囲では全社が「未開封は常温、開栓後は要冷蔵」で共通していました。賞味期限は博多クラフトコーラが製造より1年、森コーラ(瓶)が製造から12ヶ月です。小倉コーラは公式サイトに「未開封で常温1年」とあります。北九州レモンは、公式ページに賞味期限の記載がありません。
福岡のブランドでも、作っている場所は県外のことがあります
ここは正直に書いておきます。
森コーラは糸島のブランドとして知られていますが、商品ページの表示を見ると製造者は「株式会社下園薩男商店」=鹿児島県阿久根市の会社です。糸島市本1357-10という住所は、販売元である合同会社森とコーヒーのものです。
そして公式が糸島産と言っているのは「生姜」です。商品全体が糸島で作られているわけではありません。
これは悪いことではなく、小さなブランドが製造を専門の工場に委託するのは普通のことです。ただ「糸島で作られたコーラ」と紹介している記事は、正確ではありません。
福岡のブランド一覧
博多クラフトコーラ(福岡市)
THE FIRST DAY(金子昌志)のブランド。製造はコックソース(福岡市中央区清川2-16-7)。240g 1,620円、希釈1:3、賞味期限は製造より1年。
ひとつ注意点があります。公式サイトに取扱店の一覧ページがありません。店舗の情報は2023年のブログ記事にあるだけで、公式ブログの最新は2024年11月で止まっています。買える場所は下記を参考にしてください。
森コーラ(糸島市/製造は鹿児島県)
合同会社森とコーヒー。瓶290g 1,950円(4倍希釈)、パウチ180g 1,280円。原材料にコーラナッツが明記されている数少ない商品です。
⚠ パウチ(180g)の商品ページには、賞味期限が「2025年12月15日」と書かれたまま販売が続いています。この記事を書いている2026年9月の時点で、9か月以上前の日付です。ページが更新されていないだけの可能性が高いですが、買う前に問い合わせることをおすすめします。瓶のほうは「製造から12ヶ月」という相対表記なので問題ありません。
小倉コーラ(北九州市小倉北区)
Future Studio株式会社(小倉北区京町1-6-25)。山椒が小倉南区産という地元色の強い配合です。
⚠ 現在売られている「原液ボトル 2,400円(200ml・5倍希釈)」は、2026年の新商品です。以前からあった飲み切りタイプの瓶は、公式ストアで売り切れになっています。別物なので、価格だけ見て混乱しないようにしてください。
北九州レモンクラフトクリアコーラ(北九州市小倉北区)
株式会社こまつコーポレーション(小倉北区黄金1-1-13)。200g 500円と、今回調べたなかでは最も手に取りやすい価格です。レモンとはちみつが北九州産。
同社は同じ住所でカフェ「Cafe&Factory 北九州レモン Lemony」を運営していて、そこでは北九州レモンクラフトコーラ M500円/L550円として飲めます(水曜定休)。「作っている会社の店で飲める」数少ない例です。
THE FARMERS HANDS(北九州市/農園は宗像市)
株式会社ナチュレッシュ・ファーム・ジェイピー。あまおう・ブルーベリー・甘夏の3種で、各240g 1,944円。希釈1:3〜4。
※2026年6月に立ち上がったばかりのブランドです。老舗と並べて紹介されていることがありますが、できたばかりです。
ゆずコーラ(八女市)
白城の里 旧大内邸の商品。140g 810円。柚子は福岡県産で、オリーブの葉が入っているのが特徴です。
※現在も販売しているかは、公式サイトで確認できませんでした。出典にしたのは2024年1月の情報で、そこにも「2023年12月購入当時の情報です」という注記がついています。行く前に問い合わせてください。
どこで買えるか
- 住吉酒販(福岡市博多区住吉3-8-27)— 公式ECで博多クラフトコーラ1,620円。「実店舗でも販売し在庫を共有しております」と明記されています
- ハイタイドストア福岡空港店(国内線ターミナル3階)— 博多クラフトコーラの取扱。※裏付けはメーカーの公式ブログ(2023年6月)と福岡県観光連盟の掲載(2025年2月時点)で、現在も置いているかは確認できていません
- DOCOREふくおか商工会ショップ(博多マルイ2F)— 福岡県の公式観光サイトに掲載。ただしこの店は委託販売と催事販売が中心で、品揃えが入れ替わる前提の店です。目当てがあるなら電話(092-577-1655)で確認してから行くのが確実です
- 各ブランドの公式通販
- 福岡市のふるさと納税— 博多クラフトコーラ(希釈用240g×2)が寄付12,000円で選べます
飲める店

- Cafe&Factory 北九州レモン Lemony(北九州市小倉北区黄金1-1-13/093-967-6495/11:00〜18:00/水曜定休)— 北九州レモンクラフトコーラ M500円/L550円
- ロイヤルガーデンカフェ大濠公園(福岡市中央区大濠公園1-3 ボートハウス大濠パーク1F)— ランチのドリンクをプラス165円でクラフトコーラに変更できると公式メニューに記載。※単品の価格は公式に出ていません
- ボンジュールガレット(松崎/MJR六本松/薬院の3店)— 自家製クラフトコーラを出していますが、公式サイトに「コーラ」の記載がなく、価格の裏が取れませんでした。店頭でご確認ください
「伊良コーラ 福岡店」はありませんが、伊良コーラは福岡で買えます
ここは紛らわしいので、丁寧に書きます。
伊良コーラに「福岡店」はありません。公式の店舗ページに載っている直営店は、東京の店(渋谷神宮前・浅草六区・中野五丁目・浅草観音前。総本店下落合は通常営業を終え、桜の時期だけの特別営業)と台北のパートナーストア、そして移動販売車だけです。
ただし「福岡では買えない」わけではまったくありません。公式の通販サイト側に取扱店マップがあり、そこには福岡県内だけで約40か所が登録されています。天神・博多のよく知られた店が並びます。
- 紀ノ国屋 福岡岩田屋本店(福岡市中央区天神2-5-35 岩田屋本店 地下1階)
- 北野エース 福岡パルコ店(福岡市中央区天神2-11-1 福岡パルコ 地下1階)
- ハレルツナガルマーケット小倉(北九州市小倉北区船場町1-1 小倉井筒屋 新館4階)
- DEAN & DELUCA アミュプラザ博多/福岡
- THE BREWMASTER STOREHOUSE ららぽーと福岡店(福岡市博多区那珂6-23-1)
- ボンラパス百道店、MARY’S LAMB(飯塚市)ほか、酒販店・雑貨店など多数
公式マップには「お取り扱い商品、在庫状況は店舗毎に異なります」と注記があります。特定の商品が目当てなら、行く前に店に確認したほうが確実です。
なお伊良コーラは2025年から、福岡の温泉施設とも組んでいます。「イヨシコーラの湯」という企画で、2025年夏は湯の坂久留米温泉・本城天然温泉おとぎの杜、2025年冬は那珂川清滝・湯の坂久留米温泉・コロナの湯小倉店が参加しました。
ともコーラの福岡の取扱は1店です
ともコーラも直営店という形をとっておらず、公式の取扱店データで福岡県内に該当するのはTSUTAYA BOOKSTORE マークイズ福岡ももち(福岡市中央区地行浜2-2-1 MARK IS 福岡ももち 2F)の1店だけでした。
この記事で確認できなかったこと
- ハイタイドストア福岡空港店の現在の取扱— 裏付けが2023年と2025年2月の情報のみです
- ボンジュールガレットのクラフトコーラの価格— 公式サイトに記載がありません
- ゆずコーラ(八女)の現在の販売状況
- 各社のカフェイン含有量— 小倉コーラの「カフェインは使っていません」以外は、公式に明記しているメーカーがありませんでした
- 北九州レモンの賞味期限— 公式ページに記載がありませんでした(小倉コーラは「未開封で常温1年」と公式に記載あり)
価格や取扱は変わります。買う前に、その販売ページの表示をご確認ください。
出典(公式サイト)
この記事の確認に使った主な公式ページです。内容は変わることがあるので、出かける前・買う前にリンク先で最新の情報をご確認ください。

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